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 ストレスの果て
Iさん(36歳)は、金曜の夜8時過ぎに我々のところにやってきた。一週間の仕事のせいもあったろう、疲れ切った表情で面談ブースの席の背もたれに体をもたれ、どんよりとした目で我々を見た。
「こんな有様ですみません。このところ、心労が続いていまして…」
声にも、まったく精気は感じられなかった。

どれだけ厳しい状況なのか、どれだけストレスフルな人間関係を抱えているのかと思ったが、Iさんは現職の情報通信事業A社の話になると、「お陰様で、仕事はうまくいっています」と、かすかに笑顔をみせた。

総務部で働くIさんが現在任されているのは、社会貢献プロジェクト。大学との共同研究により大きな成果を上げており、しばしばメディアにもとりあげられている。プロジェクト内の雰囲気はたいへんよく、Iさんは社外にも人脈を広げられたことを喜んでいた。
「このプロジェクトは、A社がやってきた社外の取り組みのなかでは最も成功したものなんです。新卒採用のパンフレットにも取り上げられて、お世話になった大学の先生はもちろん、スタッフは皆、誇りに思っていますよ」
転職3社目でA社に入ったIさんだが、今まで経験したなかでもA社は最も自分にあった会社であると語った。
「多忙で毎日夜遅くなることをのぞけば、今の仕事には本当に満足しています。事業が順調なので、待遇もいいですしね。会社に対しての不満はありません」

では、なぜ転職なのか。問題は家庭にあった。

穏やかな家庭を築いてきたIさんだったが、一年ほど前にIさんの奥さんが働きはじめ状況が変わった。もともと趣味でやっていた工芸を、仕事としてやってみないかという誘いを受け、奥さんは自宅から二時間かけて工房に通うようになったのだ。収入はささやかなものだったが、憧れていた仕事が出来るようになり、 Iさんの奥さんは有頂天になっていた。だが…。

Iさん夫婦には幼い子供が二人いた。Iさんの奥さんは、託児所への送り迎えと家事をやりながら、往復4時間の通勤をしなければならず、徐々に不満がつのっていった。Iさんも出来るだけ家事を手伝うようにはしていたが、出張が多く、どうしてもサポートしきれないところがあったのだ。

奥さんは、毎晩Iさんに愚痴をもらすようになった。
『私は自分の力で夢をかなえた。でも、思いっきり仕事がしたいのに、これじゃあどうやっても無理』『あなたの仕事は人生の夢が叶ったというものじゃないでしょう?どうして夢をかなえた私が制約を受けるの?』
『結局、お金。あなたの方が稼いでいるから、私は文句を言っちゃいけない。我慢しろってことなのね』
『社会奉仕の仕事は、芸術より立派だと内心思っているんでしょう?』

疲れて帰って毎日二時間、Iさんは休むことなく喋り続ける奥さんの相手をしなければならなかった。そのストレスでIさんはボロボロになっていたのだ。
「子供のこともありますし、妻は家事全般、本当によくやってくれているんです。だから、少しでも残業が少なくてすむ会社に転職しようかと…」
明らかにIさんは追い込まれていたわけだが、我々には、ひとつ疑問なことがあった。なぜIさんは、会社と奥さんの工房、両方から通いやすい場所に引っ越さないのだろう?

「Iさんには、何か転居できない理由があるのでしょうか?」
「いえ。住んでいるマンションは、親から譲り受けたものですが、特にこだわりがあるわけではありません」
「引越も大変かもしれませんが、転職も大変ですよ。自分に合った会社があるのなら、辞めてしまう前に転居することを奥様と相談された方がいいのではありませんか?」
「…そうですね。そういう手もありましたか。そりゃそうですよね。引越という選択肢を妻と話し合ってみます」
引越という言葉を聞いたIさんの目は、少し光を取り戻したように見えた。帰路につく彼の背中も、来社した時と較べると、元気になったようにも見える。

端で聞いていると、なんでそんな簡単なことに気づかないのかと笑い話のように思える相談内容だが、毎晩毎晩「あなたの仕事は…」と言われ続け、Iさんは冷静な判断ができなくなっていたに違いない。三時間の相談のあいだ、Iさんは奥さんから浴びせかけられた言葉を、延々と我々の前で繰り返していたのだ。

時刻は零時近くになっていた。今夜、家に帰ったIさんが暖かい言葉を聞くことが出来るよう、我々は願うばかりだった。
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(2007/05/24(木) 12:32)

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