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 テレビ局崩壊」を起こす本当の敵は誰か?

読者の皆さんは最近GyaOを見ておられるだろうか、仕事やプライベートで話題に上るだろうか。YouTubeはどうだろう。それでは「まねきTV訴訟」で話題になったロケーションフリーを実際に購入して楽しんでおられるだろうか。そもそも出先で自宅のテレビを見たいというニーズがあなたにはどれだけあるのだろうか。
■GyaOやYouTubeはテレビ局を脅かしているか

この1年くらいテレビ局を脅かす存在として様々な映像系のサービスが登場し、本コラムでもそれらをいくつか取り上げてきた。GyaOも1000万視聴者を獲得して騒がれたが、最近は話題に上る回数がめっきり少なくなったとお感じにはならにだろうか。
私はと言えば、このごろGyaOをほとんど見ていない。YouTubeは誰かのブログに貼り付けられたものを時々見る程度。ロケフリではなく「Slingbox」を持っているが出先で見ることは多くなくもっぱら家庭内利用だ。ミクシィもモバゲータウンもアカウントはあるが完全休眠状態。Wiiは比較的活躍しているが「Wiiニュースチャンネル」がニュース番組に取って代わっているわけではない。もっともテレビそのものをリアルタイムで見ていないのも事実ではある。
要するに、パソコンやインターネット、携帯電話の登場はメディア接触環境にかなり大きな変革を起こしたが、この 10年で180度変わったというわけではない。テレビにとって致命的かと言われると少なくとも今のところそうでもない。結局のところハニカミ王子やらハンカチ王子がテレビメディアによって生産、流通していくのである。
週間ダイヤモンドが6月2日号で「テレビ局崩壊」という特集を組み、テレビ局のビジネスモデルや番組制作問題を取り上げていたが、テレビ局はまだまだ余裕の構えなのだ。ローカル局の経営について問題にされることも多いが、それはデジタル化投資以前からの問題だ。

■テレビの未来に関する私の視点をもう一度

私の考えの根底には
1 モアチャンネルのニーズはない
2 もともと「見たいもの」などはない
3 リモコンを制する者が勝つ
の3つがあることは以前述べた 通りだ。
1はもうお腹いっぱいだということ。2は忙しくて他にやることもあれば、楽しいことはテレビだけではないということ。3はそんな中でも入り口が大切だという意味である。たとえば以前取り上げたアクトビラ も入り口にこだわっているサービスだ。

■入り口としてのJOOST

JOOSTは画面上にさまざまなコンテンツを表示できる
前回書いた「JOOST」は入り口としてRSSリーダーを効果的に使っている。JOOSTの特徴は「モアチャンネル」でも「見たいもの」でもなく、RSSリーダーによる「ながら視聴」を提供しながらも、できるだけ従来のビジネスモデルを継承できるという点がテレビ局に受け入れやすく、逆に新しいと思っている。
地上波テレビ(端末)にあのインターフェイスを搭載するだけでメールもチャットもミクシイもモバゲーも番組表もおすすめ番組も、そしてもちろん広告も全部画面上にオーバーレイすればいい。テレビ局は「画面を汚すな」という言葉を控えてくれさえすればいい。
たとえば、日本のテレビメーカーが開発または提携してテレビ受像器の機能として搭載するのはどうだろう。バンダイがアップルと共同開発したマルチメディア端末「ピピンアットマーク」以降、死屍累々のテレビとネットの融合がこれだけのことで実現するはずだ。こうすることでCGMとしてのブログが生きてくる。余裕が出てきたら番組メタデータと関連したRSSフィードをピックアップできるようにすればいいのだ。
買われたくないテレビ局を無理して買収するような資金があれば、「入り口」を押さえることは容易だと思うのだがいかがだろうか。

■誰がテレビ局を崩壊させたいのか

テレビ局は最後の護送船団方式である。しかし護衛をしてきたのは法律や制度だけではない。広告主と広告会社と、実は他でもない視聴者であり商品を購入したあなたが守ってきたのである。これは決して悪いことではない。しかし、現在商品に転嫁されている広告費が安くなることで商品価格が低下するのであれば、それを選択しない理由はない。
テレビ局を崩壊させたい人には、彼らの高給を妬む人たちとビジネスモデルを崩壊させたい人たちの2種類が混在しているようだ。前者は妬みベースで建設的な話ではないので無視。後者はビジネスベースだが広告主を納得させる、いや結局はあなた自身を納得させるビジネスモデルが描けていない。
テレビ局が崩壊するかどうかは結局のところ、あなた次第だ。本気で崩壊させたいならテレビを見るのを止めるか、納得できる代わりのビジネスモデルを考え出せばいい。果たしてそれができるだろうか?
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(2007/06/07(木) 10:49)

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